極楽鳥館の花嫁 (白泉社花丸文庫)
暴力団フロント企業社長・朱雀蓮二(すざくれんじ)×ホームセンター勤務・小鳥遊史(たかなしふみ)
《感想》
タイトルにある極楽鳥花ってどんなのだったかな〜、とgoogleで画像検索したところ、こんな感じでした。賑やかだけど葉っぱとか意外と大きくて南国調で、咲き乱れるこの花が似合う洋館っていうのがよく解らなくなって、逆効果だったかも…。
BLにおいて「花嫁」というのは、
その1・借金のカタに売られる
その2・同姓婚が可能な設定
その3・アラブの大富豪による拉致&ハーレム軟禁
その4・姉妹または似た人物の身代わり
のいずれかのパターンがあります。今回は、その4タイプ。亡くなった祖父の遺産相続条件を満たすため、史と二卵性双子の姉が、朱雀と結婚します。ところが、1週間で失踪。本当に好きな相手の子供が出来て怖くなったためなんですが、朱雀にはすぐにでも結婚式をあげたい事情があり、史は半ば強制的に姉の捜索を行うことに。
朱雀の事情や正体については、話が進むにつれ、次第に明らかになります。史の姉を好きなわけではなく、史たちの母の娘と極楽鳥館で式を挙げることが重要だったんですね。そんなネタばらしと平行して、嵐の夜の出来事や朱雀サイドのいざこざに史が巻き込まれかけるなど、二人が気持ちを近づけるイベントがちりばめられてます。
結局ラストは女装した史と朱雀のツーショット&告白という、お約束。その後朱雀がカタギに戻るというおまけ付きで、姉も夫と生まれてくる赤ちゃんと3人で館に住むことになり、ハッピーエンド。
史が意外と自分の考えをはっきり言えるタイプなのは良かったですね。ラスト間近で、手元に史を置きたい朱雀に対し、自分の考えをしっかり伝えてます。でもこれが姉に対して発揮できないのは、やっぱり身内だからでしょうか。結局夫と赤ちゃんと財産を手に入れる姉が、ちゃっかり一番得したんじゃないかな。
白泉社 2011-08-19