砂の海に眠れ (ガッシュ文庫)
遊牧民族末裔・アズィール×名家当主・萱嶋清良(かやしまきよら)
《感想》
表紙をちらっと見た時は「あぁ、アラブの王族ね」って思いました。でも王族じゃありませんでした。というより、むしろ貧乏。貧乏攻め、傲岸不遜じゃない民族衣装攻め、いいですねぇ(笑)。
両親の不仲のせいで家の中で一人寂しくしていた清良の心の支えは、異母兄でした。でもその兄も写真家となり家を離れ、最後は病身で砂漠で亡くなりました。そこまで兄を惹き付けたものを自分の目で確かめようとサハラ砂漠を訪ね、アズィールと出会います。
王族なら清良を拉致監禁媚薬強姦という、四文字熟語ならぬ八文字フルコースな展開だったんでしょうか、なんせ相手は滅びゆく民族の最後の一人。そんな財力は無く、逆に兄への敬意のお礼を清良が訊ね、望んだのは日本に行くことでした。
ということで、舞台は日本へ。そこで清良の鬱屈やアズィールの孤独が明かされ、二人の気持ちは近づきますが、「育ってきた環境が違うから〜」と清良はアズィールのプロポーズを断ります。でもふとしたことで自分の押し隠した本心に気づき、最後はサハラへ。書き下ろしは、砂漠の隠された楽園でのハネムーンと清良の活躍です。
攻めが年下&経験不足なので、えろシーンが初々しいんですよね。その分清良ががっちりリードしてます。ハネムーンの7日間でアズィールの経験値は飛躍的に上がるだろうし、主導権が移るのも遠い先ではないんだろうな。