愛し恋し君だけに[神田猫] : 長い長い秋休みの宿題-BL読書記録-

愛し恋し君だけに (ニチブンコミックス)
大学生・桐谷悠生（きりやゆうせい）×大学生・藤崎大和（ふじさきやまと）　表題カップルほか

《感想》

「眼鏡を取って前髪上げたらすごいんです」って男女問わず、定番ですよね。現実世界でそんな人にはめったに出会えないのが、ちょっと残念。「黙ってたら美人orカッコいい」っていうのは多いんだけどなぁ。

表題作の主人公・大和はそんな眼鏡隠れ美形ですが、今まで勉強一筋で生きてきたので、本人には全く自覚がなく、そしてこのネタは内容にほとんど使われてません。そんな彼が大学で知り合ったのが、おとぎ話に登場するような王子様キャラの悠生でした。もっとも彼は実は腹黒で、大和限定のいい人なんですけどね。

初対面で大和は悠生に一目惚れし、でもその気持ちを気付かれないよう押し込めてます。一方の悠生も同じく一目惚れながら、大和が自分を気にするよう着々と策を巡らしてました。この辺のネタバレは最後にされるので、もんもんとする大和目線で話が進み、そしてもちろんハッピーエンド。

自分の気持ちを素直に出さない表題作に対し、同時収録の短編の一つは、自分の気持ちに真っ直ぐな子が主人公でした。こういうのも、気持ちよくて良いですね。残り一つは、絵師さんのデビューコミックスに収録されたホストクラブ経営×会社員の続編です。これは表題作と同じく本音を隠す話でしたが、余裕があるように見られたいというのがその理由なので、可愛いですね。手料理の本まで買って頑張る攻めが、好みだなぁ。

という感じで、楽しくさくっと読めました。神田猫さん、やっぱりいいですね。

　あらすじ（PCはマウスを乗せると表示）傍にいられるだけでいい――『友ダチ』として。勉強一筋だった大和が、大学の入学式で一目惚れした相手。それは、王子様オーラ全開のモテ男・悠生だった。「友達としての」過剰なスキンシップを平然ととってくる悠生に悶々とし、罪悪感に駆られながらも、1人Hまでしてしまう大和……。そんなある日、「俺とヤってみようよ」と悠生が押し倒してきて！？　揺れる恋心と官能的なHを描いた表題作ほか、読み切り2編収録。
（電子貸本Renta!「内容紹介」より）