管制塔の貴公子 (キャラ文庫)
パイロット・北河原恭彦(きたがわらやすひこ)×フリーライター・桃園頼人(ももぞのよりと)
パイロット・松嶋祥司(まつしましょうじ)×航空管制官・周防尚通(すおうなおみち)
※リンク作あり。既刊はAmazonでこちら→「華麗なるフライト

《感想》

遠野さんと麻々原さんのコンビといえば、個人的に10本の指に入る名作「茅島氏シリーズ」のコミカライズをまず思い出します。この本も表紙が素敵ですねぇ。

本作は航空シリーズとでもいうか、既刊があります。1作目も既読なんですが、まぁいつものごとく記憶になくて。前作とは設定と登場人物が多少かぶる程度のようなので、あまり気にせず読み始めました。

中篇2作で、主人公カップルが変わります。で、まず前半ですが、突っ込みどころ満載で最初はイラッとしながら読んでました。特に北河原の思い込みの激しさが、ありえないレベルなんです。

自分の従姉妹と結婚しながら不倫を繰り返す先輩を疎ましく思っているにしても、その先輩の頼みで一緒に食事をした相手=不倫相手、と考える短絡さ。なのにパイロットとして有能って、なんだかちぐはぐな印象を受けました。

でも途中から、突っ込みながら読むのが楽しくなってしまったんです(笑)。ラストでは、海外とはいえ制服のまま空港で同性と熱烈抱擁&キスシーンが描かれたイラストを見て、反射的に噴き出してしまいましたよ〜。後から読み返してみれば、笑う要素が無いんですよね。なにがツボだったのか、今となっては不明です。

こんな感じで前半が印象的だったので、後半はごく普通のツンデレBLでした。中篇でどちらも読みやすいので、ちょこっと読みたいなぁっていうときに向いてます。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)高い塔から航空機を導く、空の水先案内人―。周防は怜悧な美貌の管制官。そんな彼に声を掛けたのは、人を見透かす眼差しに自信が溢れる若き機長の松嶋。「空の上で聴く君の柔らかな声に惹かれていたけど、会うと予想以上に美人だ」そう言って強引に口説くくせに、時折縋るように気弱な顔を覗かせる―。その落差に周防は欲情を煽られて…!?高度1万mの空と地上を繋ぐ、命がけの恋。
(Amazon「内容」より)

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