だってうまく言えない (リンクスロマンス)
ベンチャー企業社長・高部明聡(たかべあきさと)×商社社員食堂勤務・小原柚希(こはらゆずき)
《感想》
きたざわ作品は、久しぶりに読みました。ハッピーエンドが予想できるので、安心して読める作家さんのひとりです。組み合わせも、余裕と経済力のある大人×普通の子(もしくは逆境を背負った子)、という王道パターン。初めてBLを読む人には、オススメな作家さんだと思います。
今回は、同じマンションの隣り合わせに住んでます。ずっと挨拶程度の接点だったのが、雨に降られた柚希を、車通勤の高部が同乗させたことから一気に距離が縮まり、想い合うように。攻めさんが受けさんを甘やかし、受けさんは図に乗ることなく謙虚なままで、話の中盤あたりでカップル成立です。
そして後半は、当て馬による横槍や誤解によるすれ違いというこれまた定番な展開。定番なりにひねりがあり、柚希の同居人や明聡のライバル(※一方的に)が絡んできます。このときの柚希の対応が、悩む前に直接高部に問いただそうという、凄くまっとうなものだったんですか、これが逆に新鮮に感じました。
なぜなら、BLでは相手が一人でぐるぐるうじうじ悩んで猜疑心をつのらせる、というのがお決まりだから。これだけで、私の中で柚希株は急上昇したくらい(笑)。するっと読了できました。
高部の共同経営者・新堂も恋人は同性、ということはリンク作が既にあるのかな。探してみますね〜。