やさしいエピローグ (バーズコミックス ルチルコレクション)
企業コンサルタント・野島渉(のじまわたる)×給食センター勤務・甲田直也(こうだなおや)

《感想》

微笑ましいですねぇ。和みますねぇ。疲れたときにほっこりできる一冊でした。ちなみにタイトルの「エピローグ」って、話の結びの部分のこと。絵師さんの意図どおり、優しいエピローグが詰まってます。

直也は東京での生活が上手くいかず、田舎に帰って働いています。ある日偶然知り合った野島は、なんと直也の憧れの人でした。実は東京時代、チンピラに絡まれていた直也を助けたのが、当時ヤクザもびびるマフィア組織の総長だった野島で。直也は自分を認めてくれた相手の役に立ちたいと組織に入りますが、次第に裏の仕事に関わるようになり、怖くなって逃げ出したんです。

その後に野島が逮捕された為、自分の所為だと思ってたんですね。もちろんそんなことは全く関係なく誤解も解け、意外と怖がりな野島の希望で2人が一緒に過ごす時間は増えていきます。そして野島の周りには彼を慕う昔の仲間が集まってきて…。

野島はすっかり更正しているので、切った張ったはありません。かつての右腕の裏切りも、ちゃんと理由を知っていて許したりと、懐が深いんですよ。こんな野島を慕う相手は、男女問わず多いはず。そんな中で野島が直也を選んだのは、普段は控えめなのに「自分を守る」と真正面から伝える誠実さが心に響いたからかな。直也が守るときにはとことん守る人間というのは、良く知ってますからね。

直也も、自信がもてないときに自分を認めてくれた相手に惹かれるのは当然で。この調子ならあっという間にくっつくかと思ったら、そう簡単にはいきません。複雑なオトコ心とでもいいましょうか。でも離れて悩んだ分、想いが強くなるもんです。

舎弟の中野の話もあります。本編でもいい奴オーラは出てましたが、周りの人にもちゃんと伝わっていてなんだか嬉しかったですね。彼が今後同性との恋に目覚めるかどうかは不明ですが、個人的には可愛いお嫁さんもらって、親バカになって欲しい気もするなぁ。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)東京での仕事がうまくいかず田舎に戻り、給食のお兄さんをしている直也が出会ったのは「総長」と呼ばれている男・野島で。
(Amazon「内容紹介」より)

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