刑事と検事のあぶない関係 (講談社X文庫―ホワイトハート)
検事・椎名優(しいなゆう)×刑事・桜木大也(さくらぎだいや)
《感想》
本を買うとき、表紙裏に書かれたあらすじって重要チェック項目ですよね。私はいつもAmazon等で確認してます。でも時々「え、なんか違う…」っていうのもあったりします。今回は、表紙裏とAmazon、どちらも微妙に違うんですが、どうして?
まず表紙裏。主人公・大也の相方の性格が「生真面目」なんです。でも、朝から満員電車でノリノリおねえ言葉で話す刑事が生真面目って、いくら日本語が乱れる昨今とはいえ、ありえないでしょう。
それからこれは両方に共通した点。椎名の登場で刑事2人の関係に変化があり、この点が話の肝になるとしか読めないんですが、そんな雰囲気は仄かにかすかに漂った程度です。大也の恋愛ベクトルははっきり椎名に向いていて、相棒の涼真は出番も少なく、「思いもよらない作用」って一体何って感じでした。まぁタイトルからして、涼真が大也の相手でないのは明白なんですけどね。
そして肝心の内容は、愁堂さんお得意の火曜サスペンスもどき。受けの大也が、今後逆転を狙っているあたりがちょっと目新しい程度でしょうか。テンプレートではありますが、それなりに楽しめました。
かなり厳しい感想になってしまいましたが、これは作品というより出版社さんへの評価かな。茶屋町さんのイラストは、とっても素敵なんだけどなぁ。次回続きがあったら…チェックはすると思いますが、やや微妙かも。