スイーツキングダムの王様 (ディアプラス文庫)
洋菓子メーカー御曹司・杏藤憧一郎(あんどうしょういちろう)×高校生・矢野珠希(やのたまき)
《感想》
ある意味定番というか、安心して読めるBL小説でした。なんだか最近、水戸黄門的な作品が無性に読みたいのは、●●のせい?
複雑な家庭環境とそれに伴う過去の辛い経験から、珠希は冷めた、でも無意識では愛情に飢えていました。そんな時に出会ったのが、電波の国の王子様のような杏藤。真面目に誠実に自分に好意を向けてくる杏藤も、恵まれているようで実は辛い環境で育ちました。その電波な言動にもちゃんと理由があったんです。お互いに惹かれるのは、必然だったんですね。
珠希が、母親のことを捨てたいと思いつつ完全に見切れないのは、やっぱり子供だから。辛い体験を話さないのも、自分が負けたくないのと、母を傷つけたくないという優しさがあったから。そんな珠希が事実をぶちまけたのは、幸せそうな母に嫉妬したのもありますが、それだけじゃなくて、今の母ならこの辛さを受け止めてもらえると、子供特有の敏感さで気付いていたんじゃないでしょうか。
とまぁこんな感じで、BLとしてはありがちな展開だったので、親子関係に気持ちがいってしまいました。斜めな感想になりましたが、まぁたまには(いつもかも…)いいかな。