雪しのぶ (ライブノベルス)
現桜部孫・樋口匡成(ひぐちまさしげ)×現桜部弟子・綾瀬直己(あやせなおみ)

《感想》

3月も下旬になりました。いつもだったら、桜の開花予想でTVが騒がしくなる頃。でも地震関連ニュースが優先なので、今年はまだ見かけませんね。気温も冬に逆戻りしたような日が続いているので、そのせいで遅れているのかも。そこで、せめて本で花見をしようと思い、今日の本を選択。冬のようなタイトルですが桜守がテーマだしぴったり、と思ったら。桜は出てきますが、枯れかけ。しかもメインは春以外の季節でした。残念!

山の長のような桜の木が咲かなかったため、跡継ぎと思われていた匡成は、山を降りることになります。その鬱屈を体と心で受け止めていたのが、綾瀬でした。2人は離れ離れになり、匡成は木々の精のような世間離れした少年・千と出会います。その無垢な心に惹かれた匡成は、千を守って生きることを誓います。そんな時、現桜部が倒れ…。

12年以上も前でしかもあまり見かけない、まんだらけレーベルです。そのせいか、BLというよりはJuneというか同人色が強く出た作品になっています。恋愛よりももっと広くて深い、慈しみの気持ちがメインになっているように感じました。

内容は、上に書いたカップルに千という少年を足した、三角関係物です。匡成は千を、綾瀬は桜を、それぞれ自分が守るべきものを抱えて道が分かれます。単純ハッピーエンドではありませんが、前向きな明るさがありますね。たけうちさん独特の書き方が淡々としていて、全体的にえろっぽい感じはありません。そういったシーンもごくわずかです。

明瞭単純なBLを読みたい方にはおすすめできませんが、最近のBLとはちょっと趣の異なるものが読みたい、という方は楽しめるかもしれません。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)「匡成には木の声を聞く力がないのだ」代々、巌雄山の桜部として樹木管理をする一族に生まれた匡成だが、古木、吟老に受け入れられず山を出る。移り住んだ七島には植物と交信できる力を持った少年、千がいた。嫉妬しながらも惹かれていく匡成。一方、匡成を呼び戻そうとする祖父の弟子、綾瀬は―。
(Amazon「内容」より)

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