官能のエチュード (ダリア文庫)
空間プロデューサー・滝川仁(たきがわじん)×会社員・氷室涼介(ひむろりょうすけ)
《感想》
最近いろいろ忙しくなって、読書量が激減りしました。能率を上げるか、睡眠時間を減らすか。言うまでもなく能率ですね(苦笑)。なんかいい集中方法ないですか〜。
さて今日の本、タイトルからすると濃厚えろそうですが、メインカップルはラスト1回のみ。それまでは、滝川がセフレ相手にちらほらです。それもラストまでは最初だけなので、そっち系を期待すると、肩透かしを食らいますので注意。
氷室は、その見た目から「抱く側」ポジションにいました。でも無自覚ながら、本当は「抱かれたい」性質だったんです。フェロモン全開の滝川の濡れ場をたまたま目撃し、その後再会したことから、どんどん新しい世界が開けていきます。といってもハードな世界というわけではありません。大人の遊び場デビュー程度です。
二人の関係も、一般的な大人の付き合いで始まります。BLの場合、氷室はゲイであることを脅されて強引に関係を持たされる、というパターンが多いんですが、今回はそれはありません。ちゃんと話をして同意して、滝川がやりすぎたらちゃんと引いて、と節度のある展開。意外と「普通」なんです。これに安心できるか、物足りないと感じるかは、読み手次第ですね。ちなみに私は大筋安心、ちょっぴり不足でしょうか。
不足部分は、主に滝川の心理変化の描写が少ない点。他のセフレを切ってでも氷室が欲しい、その理由が明確に欲しかったですね。このままだと、いつか氷室に飽きるんじゃ…そんな心配がちょっぴり残りました。
フロンティアワークス 2009-04-13