飼い主はなつかない (キャラ文庫)
高校生・佐倉哲志(さくらてつし)×臨床検査技師・浅井夏生(あさいなつお)

《感想》

ちょっとボリュームのある話になかなか手が伸びなかったんですが、年も明けて思い切って挑戦。予想に反して、楽しくさくさく読めました。もっと早く読めばよかったなぁ。

中篇2作が録されています。1つ目は二人が恋人になるまで、2作目は恋人になったその後です。タイトルの飼い主とは夏生のことで、どちらの中篇も夏生目線で進みます。

最初は夏生のコミュニケーション能力のあまりの低さに驚かされますが、その理由が人間と死者(いわゆる幽霊)の区別がつかず親を含め周囲から気味悪がられた為、というとても切ないものでした。区別できないならすべて関わらないことを選ぶしかなかったんですね。後半では脅しに屈しないという芯の強さもあって、面白いキャラでした。行動はへなちょこでしたが(笑)。

そんな夏生が受け入れられたのは、金色のオーラを持つ佐倉でした。一見恵まれた彼も大きな苦しみを抱えていて、夏生と出会うことで現状を受け入れ前にすすむことができました。最もそれ以外は、「本当に高校生?」と言いたくなる様な落ち着き具合というか包容力があるんです。個人的には、大学生〜社会人設定の方が違和感がなかったかも。

2作目の基本テーマも、人それぞれ悩みを抱えながら頑張ってる、という話です。双子の兄と比較されて育った弟が、いつのまにか自ら他人と比較して自分の方が不幸だということを全ての言い訳にしているという、なかなか鋭い内容でした。いじけてるときに読んだりすると、「しっかりしろ〜!」って活を入れられた気分になれますよ、たぶん。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)人づきあいが苦手で、唯一の友達は部屋で飼っているハツカネズミ──。 社会人失格な浅井夏生は、血液を調べる臨床検査技師。 実は人の回りに色つきのオーラが見える特殊体質だ。 そんな夏生がいつも仕事帰りに寄るレストランで出会ったのは、 なんとオーラが金色に輝いてみえるバイトの青年・佐倉哲志。 初めて見る明るい光に、人嫌いの夏生は興味を惹かれ始めて…!?
(Amazon「内容紹介」より)

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