さみしさのレシピ (ディアプラス文庫)
料理研究家助手・日高知明(ひだかともあき)×翻訳家・雨宮慈雨(あめみやじう)

《感想》

忙しくてつい読みやすいコミックスばかり消費したところ、BL小説積読山が過去最高記録を更新してしまいました。このままではいつ崩壊してもおかしくありません。旬も過ぎてしまうので、今月一杯といってもあと数日ですが、小説読破強化期間に決定。いったい何冊読めるかなぁ。

表紙を見たときは学生の話かと思いましたが、大人の話でした。一穂さんの作品って、主人公達のみにスポットが当たったじっくり読ませる話というイメージがあります。今回もそうかと思ったら、じっくりは変わりませんがより複雑というかいろんな伏線が絡み合い、深みのある内容になってました。

知明は自分に無関心な両親と可愛がってくれた叔母の関係から、自分は叔母の子ではないかと疑っていましたが、これはフェイクです。叔母にはまったく別の過去があり、そのために親族から排除されていたんです。そしてその過去は、知明の料理の先生に繋がるものでした。

慈雨の元彼で現友人の咲彦との関係にしても、単純ではありません。でも実際ってそうなんだろうなぁと。人間関係って奇麗事じゃないですもんね。ただちょっと気になったのは、お互い母親や知明の元彼女など、無神経な女性が多かったこと。特に家庭には父親だっているのに、まったく出てこない。叔母や先生などしっかりした女性もいるんですが、少し扱いが冷たいんじゃないかと…。

おまけの短編は、初Hと初対面(慈雨母)です。特に初対面は慈雨視点で話が進むので、ちょっと新鮮な感じが。知明の毅然とした態度から今後二人暮らす力強い未来が想像できて、ほっとできる内容でした。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)フードスタイリストの卵・知明は、ある雨の日、叔母の夫だという男・慈雨からの電話で叔母の死を知らされる。 墓参り代わりに家を訪ねると、そこで出会った慈雨は、華やかだった叔母とは対照的に、もの憂い翳りを宿していた。 同棲中の彼女に裏切られた知明は、慈雨宅に居候することに。生活を共にするうち、慈雨に心惹かれ始める知明だが…?
(Amazon「内容紹介」より)

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