砂漠の心に花の愛を (ビーボーイスラッシュノベルズ)
アシュバール国王・バドル=ビン=ディヤブ=アル=アシュバール×育種家・美咲実(みさきみのり)
《感想》
ジャンキーな屋台の焼きそばが、とっても食べたいときがあります。同じように、エロ増量BLやアラブ物も、強烈な魔力で誘惑してきます。これには勝てません(笑)。そんな誘惑に負けて購入したアラブ物です。「着衣の王様と宝石のみ身に着けた受け」という定番な表紙に、逆に安心感が沸くのが不思議です。そして内容も、基本はきっちり押さえてありました。
有能な王・バドルは、信じていた人間に裏切られた過去から人間不信になっていました。自国の産業活性化とイメージPRのための緑化推進策として呼び寄せたのが、実です。彼は育てた薔薇がコンクールで賞を取るほど、有能な育種家でした。なぜか親身に自分を心配し慕う実に、バドルも心惹かれていき…という内容です。
中篇2作で媚薬はありませんが、行き違いによる初体験、執着、過去に面識があり実はそれによって救われていた、限られた寿命、後半では当て馬や同僚の妬みなど、お約束的な要素はがっつり詰まっています。実が病気で倒れてからはかなり都合の良い展開ですが、ハッピーエンドBLとしては、ある意味王道かと。きっと大丈夫なんだろうなぁと安心して読めました。
王の人間不信の原因になった人物は名前だけなので、これはもしかして続編がある?と思って調べたら、やっぱりありました。前半で登場したお医者も既刊からの出張のようだし、話は果てしなく広がりそうです。どこまで追いかけようかなぁ。
リブレ出版 2008-09-19