光さす道の途中で (幻冬舎ルチル文庫)
学生・高東成道(たかとうなるみち)×学生・真野裕紀(まのゆうき)
《感想》
まさしく道の途中、青春真っ只中。派手さはなく登場人物も少ないけど、しっかり読ませるお話でした。
栗田という共通の友人を介して、真野は高東と知り合います。高東を苦手に感じながら離れることも出来ない真野は、自分でも気付かないまま不思議な想いを抱え続けます。一方、高東も真野に強く惹かれますが、実は栗田も真野が好きだったんです。二人はお互いに相手の気持ちに気付き、身動きできないまま高校を卒業します。大学進学で栗田が離れ、残った二人が時間をかけて少しずつ近づこうとした時、栗田の訃報が届きます。友人への後悔への念から二人が離れようとしたとき、背中を押したのはその栗田からのメールでした…。
という、じっくりしっとり読ませる内容です。この「友人が好きな人」だから抜け駆け出来ない、という考え方が、いかにも潔癖な少年の発想なんですよ〜。動かない動けない二人にじれったさを感じつつ共感できる部分も多くあり、私にも青春時代ってあったのねぇ、なんてちょっと懐かしくなってみたり。
残された二人は、これから一緒に道を進んでいくことになります。まだ途中だから道を迷ったり違えることもことがあっても、二人とも前を向いてしっかり歩いてくれることでしょう。そんな確かさを感じられるラストでした。
光さす道の途中で (幻冬舎ルチル文庫)
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杉原理生/三池ろむこ
幻冬舎コミックス 2009-03-17
幻冬舎コミックス 2009-03-17