トラ兄さんとワンコさん (花音コミックス)
猟犬・クマ×ベンガルトラ兄 表題カップル
ベンガルトラ×狼 ほか
※シリーズ物です。前作感想はコチラ→「トラさんと狼さん」
《感想》
大好きなシリーズの続編が出た〜!!!もちろん即購入、即読了です。昨日、当分忙しいとかなんとか言った舌の根も渇いてませんが、好きなんだからしょーがないですよね。
今回のメインは、前巻のラストに短編が収録されていたお兄さんカップルその後です。二人（匹）が狩人のところから逃げ出した直後からスタートして、アレコレ乗り越えて皆に認められるカップルに。
トラ兄さんのツンデレぶりやおっちょこちょいな一面、そして優しさが満載です。弱いものが嫌いって、すぐに死んでしまって自分の前からいなくなるのが哀しかったからなんですね。子供の頃のぷりてぃさは弟と一緒で、さすが血は争えません。
一方のクマは、まさしく忠犬です。人に飼われてたので名前もあります。でも主人はちゃんと自分で選んでますよ。森の皆から「人間の手先」と拒否されても、トラ兄さんの為ならへっちゃら。トラ兄さんが（実は狼さんに嘘を教えられて）公衆の面前で嫁入り宣言をしてくれたおかげで下克上できましたが、ベッドでのプレイをみると、意外と天然腹黒かも。
弟カップルに比べると動物の特性があまり表現されていないのは、ちょっと残念でした。クマが地面を掘ったくらいでしょうか。兄さんのほうがクマより年上だから、寿命の話も問題にならないのかなぁ…。
大好きな狼さんカップルの話は、同人誌の再録です。購入された方のブログでおおまかな内容は知っていたんですが、実際に読んで思わず泣きそうになりました。こちらのカップルの重要テーマである「種族の違いによる寿命の差」が取り上げられてます。
少しずつ体力が衰えている狼さんが、いつか後に残してしまうトラさんのために、隣の群にいる自分そっくりな甥っ子に「独り立ちしたらトラさんと友達になってやってくれ」と頼みに行くんです。そのせいで家に戻るのが遅れ、「その日」が来たのではないかと心配したトラさんに、カラダでお仕置きされるという、エロくて笑えてちょっぴり切ない話でした。20P程度の短編なのにトラ兄さん達より印象が強いなんて、さすがです。
その他は、CD収録リポート＋独立した短編1本という内容で、純粋な描き下ろしは後書きだけです。だから、雑誌を読んで同人誌も購入した人には、ちょっと物足りないかもしれません。
その後書きによると、雑誌では「トラさんと狼さん」の続編が連載中とのこと。雑誌は未読なので内容は全く知りませんが、いよいよ「その日」がくるのかすご〜く気になります。ハッピーエンドがいいけど、せっかくここまで真正面から向き合ったテーマだから、最後まできっちり描いて欲しい気持ちがあるのも本音。どんな結末でも受け入れられそうに思うので、春野さんには思いっきり描いていただきたいですね。
芳文社 2010-08-30
