文殊丸 (Holly NOVELS)
瑞調寺阿闇梨・冬弦(とうげん)×稚児・文殊丸(もんじゅまる)
※シリーズ物です。前作感想はコチラ→「花芽と狼

《感想》

無事に続編を購入。お盆にピッタリ(?)な内容でした。

メインの登場人物は変わらずです。新たな登場物の怪としてオウムの白眉が、人として弓月尉が加わりました。今回も、前回と同じように日々の暮らしの合間に起こる怪異な出来事と、それにかかわる人々の心の闇と光と絆が、優しく描かれています。

憎まれっ子世にはばかるの言葉どおり、悪役はますます憎たらしい存在に。不用意で傲慢な行動のせいで、複数の人間を死に追いやり多くの恨みを買うわけです。でも恨むほうも魂が浄化されないわけで、見方を変えれば、死んでなお苦しめられるということ。でも恨む気持ちも良く解り、切ない気持ちになりました。

そんななか、冬弦と文殊丸の関係はBLらしくなりました。でもお互いの立場から、別れの時が近づいています。運命に流されるのではなく自らが選んだ人生を強く生きるために、限られた時間を精一杯すごす決意する文殊丸が、とても輝いて見えました。二人の関係が逆転するのも、そう遠くないかもしれませんね。

さて、今月いよいよ3巻が発売になります。1巻、2巻とタイトルは稚児ズの名前でしたが、次巻は今回登場した弓月尉にちなんだタイトルです。不思議な能力を持つ彼の過去が明らかになるんでしょうか。あ〜楽しみ。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)文殊丸は瑞調寺の阿闍梨・冬弦と心を通い合わせ、穏やかながらも睦月を過ごしていた。元服が近い文殊丸は残された時間がわずかなことを知っていたが、ある日流刑されている父が洛に帰ってくるという噂を聞き…。少年が自らと向き合い、青年に成長していく姿と父子の絆を描いた、須和雪里ならではの愛の物語。
(Amazon「内容紹介」より)

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