誓いが永遠にかわる海 (クロスノベルス)
巨大企業グループ総帥・レスリー=スタン=サウスウェル×大学生・仁枝雅(にしみやび)
《感想》
ベタな話が読みたくなって、チョイス。人身売買、奴隷、媚薬というBL定番素材に、豪華客船、富豪というこれまた定番なスパイスで味付けされていて、良い感じにベタでした。
舞台が客船の中と限定されているので、事件と恋愛に集中して読めます。そんな中、Sの悪役についてかなりページが割かれているのは、ちょっと驚きました。その悪役がどれだけ雅に執着しているか良く解り、途中でさっさと船を降りて逃げないのか、という突っ込み対策として有効です。決着をつけない限り一生追いかけられるわけですから。
反面、狙った相手がボディガードをつれて乗り込んできてるのに、相変わらず闇オークションを開催してるあたり、悪役側の危機感の無さなどちょっとちぐはぐな面もあります。でも、危機一髪でお姫様が救出されるシーンは、ベタの定番として外せませんもんねぇ。
結婚や後継者など、レスリー側のごたごたが予想されますが、それを無視すれば期待通りの甘さでした。しっとり、しんみり、ずっしりなど、心に何かを残す作品を期待してる方には、物足りないと思うのでご注意を。