華蜜の斎王 (ガッシュ文庫)
疾風の国第5王子・青嵐(せいらん)×華蜜の国華子・イリス

《感想》

異世界ファンタジーです。冒頭にオリジナルな地理名や民族や人名がどわっと出て怯みますが、そこを乗り越えれば後は大丈夫でした。

華蜜(かみ)の国というのが一番ファンタジー設定になっていて、まるでラ●ュタの様に空に浮き風に乗って現れます。地上には無い花が咲き、特にフリチラリアという巨大な花が国の中核になっていて。中に住む人間は美麗な男ばかりで寿命は3000年、食事は花の蜜で事足り、性格も穏やかでまるで神様のよう。そんな華蜜の国でも特別な存在が、華子(かし)と呼ばれる人々でした。

華子であるイリスは森の奥深くに一人で暮らしていて、そんなイリスを見つけたのは、華蜜の国に世継ぎの病気を治す薬を求めにきた青嵐でした。空を飛べる青嵐にとって森は障害でなく、二人はあっという間に恋に落ちます。

この華子、実はフリチラリアの栄養として、その幹の中で暮らすことが定められています。そのため、長い孤独に耐えられるよう小さな時から隔離して育てられ、自分の順番を待っていたのでした…。

という内容です。生贄になる深層のお姫様と助けに来た王子様ですね。ギリシャ神話のアンドロメダを助けるペルセウス、のような。神話との違いは、悪役がいないことでしょうか。お姫様は外界では生きられない、といったプチ設定もありますが、特別な蜜のおかげで多少は寿命が延びそうです。

主人公たちの恋愛話はおまけで、異世界そのものが本当の主人公とも思えるほど設定はとても凝ってます。だから、BLとして読むとちょっと物足りなく感じました。あくまでも主人公カップルがたまたま男同士のファンタジーと思ったほうが適切かもしれません。

この異世界、まだまだ沢山の設定がありそう。共に生きることを決めた二人(+お供1名)が目的地にたどり着くまでの道中記、続編で読んでみたいです。

 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)疾風の国の王子・青嵐は、国の密命を受け、幻の国といわれる華蜜の国へと旅立った。辿り着いた華蜜の国で、青嵐は人目を避けるように幽閉されていた一人の佳人と出会う。イリスと名乗るその青年は他人と交わる事を禁じられていた。世間知らずで純真無垢なイリスを愛おしく思う青嵐。秘めた逢瀬を重ねるうちに、イリスもまた闊達な青嵐に惹かれていく。だが、疾風の国からの帰還命令やイリスに課せられた過酷な運命が二人の前に立ちはだかって―。壮大な世界で繰り広げられるデスティニーロマン。
(Amazon「内容」より)

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