片思い (ビーボーイノベルズ)
建設会社勤務・三笠高志(みかさたかし)×大学生・吉本智(よしもとさとる) 表題カップル ほか
※シリーズ中篇2作+中篇1作です。

《感想》

絶版のためAmazonでは驚くような中古価格がついているこのシリーズ、前から気になってたんですが、このたびめでたく2冊とも入手できたので早速読了。まずは1冊目から。

「痛い」と評判の木原作品、実は私はあまり読んでいないんです。基本的に私はハッピーエンド主義なので、痛い作品は読後気になって眠れそうにないから。そんななか、比較的痛くなさそうな作品がコレだったんです。

主人公・吉本のあまりな女王ぶりに最初は「え…」とちょっと拒否反応が出かけたんですが、読み進むうち、これは恋愛レベルが幼稚園児でいじめて気を惹いているのかも、と思いはじめました。そうしたら次第に、吉本が可愛く見えてきたんです。特に続編での解りにくい健気さは、もはや微笑みながら読んでました。

こんな吉本に惚れられた三笠は、最初は災難だわぁと同情してたんですがその空気を読まなさ加減に、二人は無敵のゴールデンカップルだと気付かされるわけで。ということで構えて読み始めた本作、いい感じじゃないの、と気を抜いていたら…!

やられました。タイトル作じゃなくて同時収録の「花の宴」に。義理の親子、近親相姦、殺人の三点セットです。もしかしてタイトル作のスピンオフ作品かも〜なんて軽い気持ちで読み始めたら、どんどん暗い重い空気が立ちこめはじめるじゃありませんか。

しかもこの作品、ラストは主人公が一応立ち直って、密かに主人公に想いを寄せる親友と再会するところで終わっています。二人はどうなるんだとか、男性恐怖症の主人公が男子校で生活できるのとか、将来は主人公も血筋の狂気に飲まれるのか、とか今後の展開がめちゃくちゃ気になる終わり方なんです。

同人誌でその後を書かれる事が多い木原さんなので、もしかしたら同人で続編があるのかもしれませんが、できれば商業誌で書いて欲しいですね。でも今のBL商業出版環境を考えると、June的な気配が濃厚な展開は、無理かもしれません。

さて、シリーズ2作目の主人公達の友人・門脇編は、明日アップしますね〜。

≪追記≫
シリーズ2作をまとめた新装版「片思い」が、リブレ出版から発売されています。書き下ろしも入っているので、これから買うなら新装版がおすすめ。
 新装版 片思い (ビーボーイノベルズ)

※お知らせ※12:50追加
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 あらすじ(PCはマウスを乗せると表示)吉本の友人でカミングアウトしていた三笠の、突然の結婚宣言。彼の恋愛問題に振り回されてきた吉本だが、実は彼に結婚してほしくない理由があった。思い余ったすえに吉本がとったとんでもない行動とは!? いっぱい泣いても、きっと最後は幸せに。話題独占の大ヒット作、お待たせの登場!書き下ろし続編のほか一編も収録。
(Amazon「内容紹介」より)

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