高校生・櫟井真悟(いちいしんご)×高校生・唯浜徹(ゆいはまとおる)

新作の積読消費が続いてますが、時々少し古めの作品も読みたくなります。これもそんな1冊です。良いテンポで読めました。

読み始めは櫟井の傲慢さが鼻について、え〜って感じでした。知的レベルがずば抜けて高く、経済的にも恵まれたため、周囲を見下してるんです。中学生にして、人をカードに見立ててパワーゲームって、かなり殺伐とした人生ですよね。

そんな櫟井が損得なしで惹かれたのが、唯浜です。噂先行で周囲から距離を置かれていますが、本当は素直で優しく、相手を受け入れるしなやかな強さを持った少年でした。

わりと早くカップルが成立したので、この後は櫟井の過去の因縁に唯浜が巻き込まれ、櫟井が己の傲慢さを深く反省するっていう展開かと思いました。ちょっと安易ですが、櫟井にお灸をすえたいという私の個人的願望を含んだ展開に(笑)。もちろん、そうはなりませんでした。

逆に唯浜の親しい先輩が道を踏み外し、それを何とか救おうとする唯浜を守る為に、櫟井が過去の人脈を使い直接交渉します。本当なら排除することも出来たのにそうしないのは、唯浜が悲しむから。いつの間にか、櫟井の行動の基準が唯浜になってるんです。
そしてラストは素直に涙を流し、唯浜に想いを伝えるまでに。最初から思えば、随分可愛らしくなりました。

でもやっぱり、過去のしっぺ返しが何時かくるんではないかなぁ、と個人的には思ってます。「人生はプラスマイナス0」が座右の銘なもんで。そうなっても唯浜だったら傍にいてくれるでしょうけどね。多少のマイナスがきても、おつりがくるくらいです。
ということで、内容の面白さとは反対に、なんとなく意地悪な感想をもってしまった一冊でした。
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